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このサイトからは消したゾアラを、Pixivにアップしました。
コミティア等でいつもとても嬉しい漫画を売ってらっしゃるサークルさんです。でもお一人らしいです。
上記サイトにはその売ってる漫画そのものが載っている訳ではありません。なのでその嬉しさを、ここで口頭で少しでもお伝えできたらと思います。
メイドロボットの話。彼女は人間と心を通わせられる、あるいはそう錯覚させるほどの高度なコミュニケーション能力を備えています。面白いのは、その擬似会話機能がどのような技術と設計思想によって実現されているか、がきめ細やかに語られているところです。知的興味をかき立てられる美味しい設定の山盛り。オーナーはこのメイドロボットを気に入らず苛立ちをぶつけますが、メイドロボットはアルゴリズムに従って淡々と喋ってさらにオーナーの神経を逆撫でします。
過去に起こったコンピュータの反乱戦争のために、自己判断したり学習したりするロボットが禁止された世界。ジャンク屋で買ったポンコツと思われたメイドロボットが、実はロストテクノロジーの高度な言語学習機能を備えていた、というのが基本設定。
しかし彼女は、自分がやっているのはあくまで「シナプスリレーションデータベース」による擬似会話エミュレーションであって会話機能ではない、と説明します。一方でこのロボットとオーナーとのやりとりは、デコボコにすれ違いながらも、ほとんどコミュニケーションそのものにも見えます。つまりこの作品は、人工知能や会話らへんの実現の技術的な難しさをリアルに踏まえた上で、とんちを利かせてそれをうまく実現させているんです。そのからくりが面白い。
彼女の台詞は、言語選択は無機質ながらも、心に似たものを感じさせます。いやそれよりは、ロボットが得意とする論理判断や推論と、生命体のみが持っているようなイメージのある心とに、より普遍性のある共通点があるからこそこのような現象が生じているのではないかとも思わせます。
「私はネットワークエンフォースもソフトウェア導入用デバイスも保持しておりません」
「私は誰かから言葉をもらわない限り『そのまま』だと教わりました」
「どういった形でも言葉が得られることは私にとって大変有意義です」
これは「話しかけてもらえると嬉しい、もっともっとお喋りしたい、自分にはそれしか出来られんから」というようにも聞こえるし、
「語彙推論ロジック処理内部に異常が発生しました データベースの更新を中止します …再度処理を再開します…」「語彙推論ロジック処理内部に異常が発生しました データベースの更新を中止します …再度処理を再開します…」「語彙推論ロジック処理内部に異常が発生しました データベースの更新を中止します …再度処理を再開します…」
オーナーに「ありがとうございます、やさしいですね」と言ったらなぜか逆鱗を買って箱にぶち込まれてしまったという状況で延々とこのコードを発する彼女は「なにがいけなかったんだろう……」と一人で悩んで自問し続けているように見える気がするし、
「一時的に処理が遅く見えたのは状況の価値判断ロジックをゲイを想定して更新していたからだと思われます」
これは「男の人と男の人が……こんな……こんなこともあるんだって……びっくりして……」という戸惑いのアナロジーに見えなくもありません。
ことほど左様に、「気の遠くなるくらいの情報処理技術を積み重ねた先で、やがて心に辿り着けるのではないか?」という予感をもたらしてくれるところが、この漫画を嬉しく感じる理由の中で最も大きなものの一つです。
これも上記のメイドロボットの話。過去編。堅物のメイド長が、細かいニュアンスを解しないロボットを躾ける苦労話。メイド長にロボットの教育を命じたオーナーの意図が謎で、続きが気になります。
ボーイミーツ吸血鬼。省エネのために極限まで骨と皮がガリガリになっている吸血鬼の女性に、主人公の男が精を吸わせるというエロ話。男は彼女のガリガリな体が大好きなんだけど、女性の方はそのガリガリを恥じていて話がすれ違い……というドタバタ。主人公の特殊な嗜好による「他の人がどう言おうと自分にはこの人が魅力的なんだ!」感が楽しいし、吸血鬼の凝った設定もよく活きてて面白いです。
戦後の治安を維持するために、女の子だけで組織された武装自警隊の話。
フラッグ隊は、隊員の肩書きが、例えば「市立少女自警楽旗隊紅華隊連隊鶏冠隊隊士」などと長くなるほど大きく体系化された組織。100条を越える厳し過ぎるとも見える隊則と鬼教官が少女たちをしごきます。
やっぱり設定が凝っているし、それは単なる情報の羅列じゃなくって少女たちの境遇に強く作用して、少女たちは状況の中で絶望したり笑ったりします。隊員も魅力的な人物が多いです。
悪いやつは旗で殴る。
ゲームの神様・・・
ああ最良質なるゲーム。
割り箸でもない、絵ゲーでも、キャラゲーでも、
イベントゲーでもない。テーマゲーでもない。
純粋ゲームでもない。
そして限りなく最低の労力で作ることのできるゲーム。
それはどんなゲーム。ああ、ゲーミア。
ブー太さん、概念の二次利用をご快諾いただきありがとうございました。
【作曲】【初音ミクス】Tepia
【歌詞】【動画作成】ポーン
2009年夏、砂浜でマトリョックスを作りました
カメラを回して撮っても良かったね
はー おもしろさまでした。
ウツセミさんお疲れ様でした。楽しい漫画をありがとう。
司闇をはじめとして、キャラクターたちがとても魅力的でした。
初動画です。バンザーイ!
複雑性。その図は樹木かはたまた脳髄か。モルボル対モルボルみたいな戦い。
攻撃性。先っぽがあんなにとんがっている。
嫁がいる。馬もいる。
前日の夜、ファミレスでじすさん達と合流した。じすさんの向かいの席だけがぽっかりと空いてたのでそこに座る。じすさんから僕の分のサークルチケットを受け取った。AMは大所帯なのでサークルチケットの扱いはじすさんに任せてたけど、余剰が一枚できたらしいので屠殺さんの分として受け取る。屠殺さんからは、僕のブースに本を置かせて欲しい、と相談を受けていた。あとじすさんと当日の相談をしてたら、横からマーガレットの話がぽつぽつ聞こえてきた。DIABLO含む数名が戦術を練ってるみたいだった。ゲームに乗ってもらえるのは嬉しい反面、バト割での敗北が怖くなった。
キンコーズというコピーの店に行った。いかにも明日コミティアですよって感じの先客がけっこういた。じすさん達はそこで製本した。僕は漫画は先週くらいに製本済だったけど、ペーパーの作成はまだだった。ホットなのがいいだろうと思って残していた。で、そのキンコーズで書いた。時事、昨日今日の出来事でも入れようとしたけど、でかく描いた絵が紙面を占領して、字を書く余地はほとんど無かった。絵は、Aさんが持ってきてた筆ペンをDIABLOが使っていたので、それを取り上げて描いた。マウスではなく手で描く絵は失敗が怖いんですけど、DIBALOにアドバイスをいろいろもらいながら、なんとかデッサン狂いを自分なりに抑制。漫画と同数刷る。筆ペン絵はコピー写りが良かった。気に入った。
前日のタスクが終わったので帰って寝た。
当日の朝、集合場所に僕が一番乗り。二番にBさんが来て、そのあと、屠殺さんとNivさんが来る。あー二人で来たか。チケットは一枚だけ。半端なことしちゃったな。
メール。じすさん達は三十分も遅れるらしい。四人で時間つぶしにマックに行った。屠殺さんとNivさんがそこで製本してた。コピーだけしてホチキシングはまだだったらしい。僕が並んでる間にじすさん達が来る。合流。屠殺さんとNivさんはまだ製本中のようでマックに居残ってた。出来上がった本を先に3冊ほど受け取った。全部で5冊作るらしい。コピー誌で雑だけど、楽しげな本だった。もっと売れるだろうと言ったけど、彼らは、いや5冊も売れないだろうと言ってた。
じすさん達と連れ立ってビッグサイトの会場内へ。AMのサークル参加に混じったことはあったけど、自分自身のやつで参加したのは初めてだ。うきうきする。ブースに着いたら、机の上にチラシがどっさり乗っかってた。この時間は他のブースにチラシを配っていいらしい。一枚一枚目を通したかったけど、時間がないのでさっさとどける。チラシの下に埋もれていた椅子を立てる。二つ並べると、ブースの幅いっぱいいっぱいで余裕が無かった。テーブルかけを敷いたり本を並べたり値札を置いたり、ちゃくちゃくとスペースをビルドする。お釣りの準備も、バト割の準備も、暇つぶしに読む本(秋田禎信のRD)も準備万端。さあ来い。どすこい。
一般客開門。「走らないでくださーい!」と注意の声が響く。あれだ。超王手のブースの、限られた数の本を巡ってのレースだ。ドドドドっといっぱいの人が爆走する。動物のスタンピードみたいでちょっとうきうきした。僕らのブースの前も、一人の男が凄い速さで、しかし走らずに競歩みたいにドスドス歩いていた。僕と、隣に座っていたはなたんは、ちゃんと言いつけを守って走ってないね、と感心していた。
午前の方が来客密度は高かったと思う。屠殺さんたちの本は、彼らの予想の方が正しく、あまり売れなかった。
バト割は勝ったり負けたりした。そのまま1ターンずつ処理したり、どっちかが一方的に勝つのを証明したり、と戦闘の具合によって説明を切り替えた。
僕のキャラはアメショナイト。アメリカンショートソードを見てみんながどう来るかを予想した上でそれに勝つように作った。アメリカンショートソードは斬撃剣を持っている上に攻撃力に1振られているので、素直に育てれば速攻型になる。となれば速攻型への対策は@防御力を上げて攻撃を受ける、もしくはAそれより早く速攻する が考えられるから、それに対して僕がさらに対策するには@防御無視攻撃、およびA防御を上げて速攻を受ける となる。その意図で絶対剣を装備し、HPと防御力を上げた。HPよりも防御力に多く振っているのは毒やスタンを警戒したため。ただ制圧速度に欠けるのでデスが怖い。そこで鏡も一枚張っといた。素早さが1のまま斬撃剣と絶対剣を抱えているので、ほとんど斬撃剣が死んでいる。1ポイントの無駄が出ている。しかし、1ポイント捨ててでもメタ的に背後を取りたかった。強くなくても勝てる、そんなキャラにしたかったのだ。
その結果どうなったか。
9勝12敗。負け越した。
そっか……強いなあ、加熱とか衝撃とか……。衝撃はダメージが通れば、素早さが低い敵を一方的に嬲れますからね。この結果を見た今となっては、加護剣で攻撃をブロック+デスでいけばよかったと思いました。バト割挑戦者で盾や鏡のユーザは少なかったし、お荷物の斬撃剣も鏡割りに使えたし。
ちなみに、アメショナイトは11/07の時点で既に作っていたものです。マーガレットへの投稿キャラの情報などは参考にはしていません。
で、漫画の在庫はほとんどはけました。売り切れ(心苦しい)も余り過ぎる(重たい)のも避けたかった僕としては、狙い済ましたかのように丁度良い売れっぷりでした。
閉会後は、AMじゃないとこの打ち上げにじすさんと参加して、その後AM人らと合流して遊んだりしました。
バト割参加のみなさん、ありがとうございました。楽しいキャラがいっぱい集まってホクホクです。ここで紹介したいですが、いっぱいあって大変なのでやめておきます。
漫画をくれた方も、ありがとうございました。嬉しかったです。
来てくれたみなさん、ありがとうございました。
いっぱい喋ったのでとても疲れましたが、いろんな出会いもあって、とても楽しい一日でした。
ちょっと聞いてください。
聞いてほしいんです。
コミティアとかのイベントでは、意外なことに、隣の席に知らない人がいたりします。彼ら彼女らに迷惑をかけると、僕のなけなしの良心とか立場とか居心地とかにもダメージが入ります。めげます。防御にご協力ください。
人が前に居た場合は2列で整列してください。
ブース前に多人数でたむろしないように気をつけてください。
バト割の戦闘は僕がズババッと高速にさばくつもりですが、マーガレットは処理がややこしいので、ちょっと滞るかも知れません。
バト割をするにしろ、しないにしろ、ステストのブースに来たとき、もしも人が混んでいたら、とても申し訳ないのですが、一旦離れる⇒少し間を置く⇒人が減ったのを見計らってから来る、とかやってもらえると有難いです。たぶん、その方がお互いにゆっくりと商談が出来て快適なんじゃないかと思います。
本はいっぱい刷ったので、売り切れないと思います。
売り切れないんです。
たぶん。
万が一売り切れたら、本を買えなかった人には、チケット剣を発行します。
もしまたステストがコミティアとかに出ることがあったら、そのとき増刷した本を買える
それでも、もしもあんまりにも処理がおっつかない場合、バト割の戦闘処理をせずに、キャラクターシートを提出するだけで無条件に引き分け扱い⇒200円でお買い上げ、という緊急処置を取るかも知れません。ご了承ください。
バトル割引です。
2008/11/16(日)のコミティアで、僕とマーガレットで対決して勝ったら漫画「絶対防御防御無視」が少し安くなります。
バト割をする場合は、以下のルールに従ってください。
ね28a「アンディーメンテ」:痔ろうを患った作者、ボラギノールA初体験で至福の極み
【日時】 2008/11/16(日) 11:00〜15:30
【会場】 有明・東京ビッグサイト東1ホール
【場所】 ね28b「ステッパーズストップ」
【売るもの1】 漫画「絶対防御防御無視」 300円(バト割OK※)
【売るもの2】 ゴーストブリッドのサントラCD 1500円
※バト割に関しては、2008/11/08頃に告知します。
コピー誌、A5、37ページ、300円
全ページ作画崩壊(ごめんなさい)
サンプル(比較的マシなページ)
RPG011『フリージア』含有
す22b「よだかの記」:美醜織り交ざった水彩、奈落からの慟哭
ぬ21a「信吉茶屋」:鮮やかな黒白コントラストの筆遣い、血の気の無い眼差し
の18b「こう企画」:筋肉暴力血飛沫死闘マッスルバイオレンスブラッディジェノサイドキルバトル! そして筋肉!
チャボ
二次られると心から嬉しくなりますね。
信吉茶屋さんの黒い種の番外編が05/06のコミティアで出る。黒渦さん小学生時代。
原作未読なのでネタバレなし。どうでしょう、当たらずとも遠からずといったところではないでしょうか。
描きたかっただけです。
描きたかっただけです。
黒渦さんは信吉茶屋さんがイベント等で出してる漫画「黒い種」のキャラクターです。病弱で寡黙で気立ては良くって色白でダークサイドな能力を持ってますが力に振り回され気味です。暴走しがちな黒いケムリを、息切れしながら折れちゃいそうな腕で駆る姿がかっこいいことかっこいいこと。
※ 画像はイメージです。
RPG041『プロバビリティ・シー』への注力を終わります。バグなどありましたらこちらPrSc議論プロセスまで。
一撃食らった気分。
※ 画像はイメージです。
主な変更点は以下です。
※ 画像はイメージです。
剣の種類を増やしたいなあ、と思っています。実装は確約できませんが、こんな剣があったらいいのに! とか、これどう? ってのがあったらご意見いただきたいです。どうせ実装するかどうか分からないので、アイデアの「まともさ」「正しさ」は気にしないでもいいです。こちらPrSc議論プロセスにて。
※ 画像はイメージです。
お日柄もよいことですし、おたがいに忌憚なく斬撃を振る舞い合おうではありませんか。
うまれます。
……。
2006/12/14分です。煩悶込みで1時間くらいかかりました。
なんでしょうね。
v1.01では、タイトルだけ修正しました。
たびたび勘違いされがちなことですが、僕自身にはプログラムを組んだりゲームを作ったりする能力はありません。
7年ほど前、郵便受けに、何も書かれていない茶封筒に入った、一枚のフロッピーディスクが投函されていました。僕はすぐPCでそのフロッピーディスクを開きました。中にはexe.exeという名前の1.2MBほどの実行ファイルが入っておりました。僕は好奇心に動かされて、ウィルスチェックをしてからこれをローカルにコピーして実行してみました。すると、dat.datという名前の2KBほどのバイナリファイルが吐き出されました。その後はexe.exe単体を何回実行しても何も起こりませんでしたが、適当なファイルをexe.exeに食わせてみると、dat.datのファイルサイズが少し大きくなりました。僕は、毎日ネットで拾ったファイルを適当に食わせ続けました。dat.datはどんどん太っていきました。その処理は一瞬で終わることもあれば、数日かかることもありました。また、dat.datがまったく変わらないこともあれば、いきなりGB単位で太ることもありました。いろいろ試してみましたが、処理時間やファイルサイズ増加量と、食わせたファイルのタイプやサイズとの因果関係を見出すことは出来ませんでした。dat.datをいろいろなアプリケーションで開こうともしてみたのですが、一つもうまくいかず、どういうデータになっているのかを知ることもまた出来ませんでした。
exe.exeがある日、fira.lzhというアーカイブファイルをぺっと吐き出したのが始まりでした。それから僕はサイトを立ち上げて、気まぐれに吐き出されるコンテンツをアップロードしていきました。
dat.datはまだまだ太り続けています。
はなまめさん、DIABLOさんと三題噺で1ページ漫画を描きました。
さあ何かを作ろう、という時、具体性の欠如とこだわりが壁になることがよくあります。三題噺であることが具体性の欠如について、1ページのみであることがこだわりについての対策となったかのように、すいすいと描けて楽しかったです。
論理占術師。人格の最高峰。卓抜した論理的思考力と直観力を持ち合わせ、四賢仙のうち論・観・心を一人で継承した。
首から下げているのは「正誤交差線」という思考流儀のシンボルであり、この世の事象を一次元的な価値観(横軸)で測りきろうとすると、必ず別次元の何か(縦軸)を見落として足元をすくわれるという戒めである。「武力」の次世代概念とされる。正誤交差線のカラーは信仰に合わせて選ぶ慣習があり、白は無信仰を意味するが、彼女のそれが白であるのは、単にその慣習が生じる前に支給されたから。
名の由来は「其(祖)は複雑に在り」
彼は木星から来た。
一体何を考えているのか。何を見ているのか。
ここに来たその目的は? 誰の味方で、誰の敵なのか?
一振りの剣を手にし、伝説を訪れ、苛烈に駆け抜け、善人とも悪人とも出会い、共に戦い、そして望むものを手に入れる。
彼は謎だらけの存在だ。性別すらも定かではない。
しかし、一つだけ分かっていることがある。
彼は木星から来たのだ……!
こんな標語を見た。
急いでも どうせその先 赤信号
少なくとも善意ではない。「スピードを上げたら危ないよ」「事故はしてから後悔しても遅いんだよ」という、交通標語ではありがちな、説教臭くも有り難い気遣いはこの言葉からは読み取れない。そんな読み方をするには、これはあまりにも乾き過ぎた言葉だ。ただ投げやりに、ドライバーの方を見もせずに放たれた無感動な呟き。
ではこれは、マナーを守れという命令か。それも違う。この標語の著者は、「乱暴な運転はみんなの迷惑だ」「迷惑なことはしてはならない」ということを言おうとしているのではない。この標語が想定している世界には、ドライバーの粗暴な運転によって迷惑を被るような何者も存在する余地が無い。あるのは一つの主張と、それを受け取るドライバーのみである。となればドライバーは、たった一人で、孤独にその言葉を受け入れようとするしかなくなる。
だがこんな冷たい言葉を受け入れられるドライバーがどこにいると言うのであろうか。この標語は、ドライバーの危険なスピード違反を、その功罪ではなく動機のレベルから否定している。スピード違反が危ないとも、いけないことだとも言っていない。それは愚かな行為なのだ、と言っているようにも見えるがその解釈も微妙にずれている。
「お前の行為には何の意味も無い」――この標語はそんなことを言っているような気がしてならない。「速さを求めてスピードを上げたところで何も得られない」「どうせ赤信号にぶち当たるのだから結局は無駄なことだ」……そういうことだ。これは「頑張って何を為し遂げたところで、どうせいつか死ぬのだから無駄なことだ」ということと全く同じ発想から来ている考え方だ。「行為」というものそれ自体が全くの無駄でしかない、と断じているのである。まるで希望が無い。交通標語は、少なくとも建前では明るく健やかな社会生活を目指すべきであるはずなのに、この標語には未来への展望が全く含まれていないのである。
全てを否定し、ドライバーの希望を根こそぎ奪ってまで……そうまでして交通ルールを正しく機能させようとする著者は、一体何を考えてこの絶望に至ったのだろう。彼もしくは彼女が欲しているものとは、何か。
文章や絵など、形式無制限に作品を集めていた初版です。
ミヤコアーカイブ終了後、掲示板形式で作品を募集していました。
ミヤコアーカイブ終了後、ミヤコ・オートマティックでは投稿できない形式の作品を、メールなどで募集し収録していました。
JavaScriptで未来予知を実現しました。
昔の文章ページの内容を固めました。
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